自分でフラワーアレンジメントを作ってみた時に、どうも上手くいかなかったり、どこかしっくりこない,なんてことはありませんか?
何だか隙間が空いてるなあ、何だか微妙な形だなあ、なんかここ飛び出てない?などなど。
そんなふうに感じていたら、それは気のせいではありません(笑)
本当に隙間が空いているし、微妙な形だし、何かがバランス悪く飛び出ています。
今回はフラワーアレンジメントを作る時に、これを知っているとグッと良くなるという4つのポイントについてご紹介します。
- フラワーアレンジメントの基本
- お花を挿す順番
- ふんわり可愛く見える奥行の出し方
- 素材を活かす
1フラワーアレンジメントの基本
フラワーアレンジメントには【三方見(さんぽうみ)】という形があります。
これは前と左右の三方向から見られるアレンジメントで、玄関の下駄箱の上やリビングの壁際の棚の上に置くような
タイプのアレンジメントです。後ろから見られることがない、という前提で作るアレンジです。
お花屋さんでフラワーアレンジメントを買った時に一番よくあるタイプが三方見のアレンジです。
ちなみに、前後左右の四方向から見られるのは四方見(しほうみ)と言ったりします。ラウンド型などがそうですね。
結婚式のテーブルの真ん中にあるお花は円卓を囲む全てのゲストから見られるため、四方見で作ったりします。
オアシスの水の浸け方
お花屋さんなどで売っている緑色のオアシス(吸水性スポンジ)。まずは使う分だけナイフでカットしましょう。
そしてお水をたっぷり入れたバケツなどに静かに浮かべて、自然に沈むのを待ちましょう。こうすることで中心部分までお水をしっかり浸透させられます。
お花を挿す時のルール
①挿す深さは3~4㎝
オアシスの大きさによりますが、オアシスの3分の1や2分の1の大きさを使うなら、お花の茎は3~4㎝の深さまで挿しましょう。それ以上もそれ以下もダメ。浅すぎると茎が抜けてお水が吸えずにすぐに枯れてしまいます。深すぎると、茎同士がオアシスの中でぶつかってしまったり、無理して奥まで挿すと折れてしまいます。
←オアシスの模型 中心から放射線状に茎が出るように挿します
②オアシスの中心に向かって最短距離で挿す
わざわざ遠くから挿さずに一番近くに挿しましょう。
ルールを守って挿すとオアシスの中心から放射線状にお花が出ている状態になります。
←写真:悪い例。オアシスの中心に向かって挿せていない。
①と②を守って挿すことで,お花の本数が多くてもオアシスを最後まで綺麗に使えます。
いつもオアシスが崩壊してしまうほど何度も挿しなおして穴が沢山あいてしまうというお悩みがある方、①と②のルールを守って挿してみてください。
2お花を挿す順番
いつも必ずこの順番にさしていくと重心の整った素敵なアレンジメントが出来ますよ。
挿す順番①葉もの
レモンリーフやドラセナ、ユーカリ、ルスカスなど葉物なら何でも。ただし、ツル系はアレンジメントの一番最後に入れた方が効果的に活かせます。(ツル系はアイビーや利休草など。)
葉ものから挿す理由:設計図を立体的に作るため
今日作るアレンジメントの全体像の設計図を立体的に葉もの(レモンリーフ、ユーカリ、キイチゴの葉など葉ものなら何でもOK)で挿してみましょう。
横幅はこのくらい、後ろの高さはこのくらい、手前はこのくらいまで。などなど。
もしも葉っぱの本数にまだ余裕があるなら、アレンジメントの内側に挿して、膨らみ具合などもより立体的に表現しましょう。
この時、外側の葉はなるべくオアシスの端っこに挿すと、出来上がりがゆったりとした豊かなふくらみのあるアレンジメントに仕上がります。
あんまりキチキチの風通しの悪いアレンジメントになるとお花が苦しそうですもんね。
お花屋さんに行ったら、ぜひ葉ものも買ってきましょう。
挿す順番②主役の花
主役顔の花があるのです。
主役顔、それは目がぱっちりした美人と言いましょうか、例えばバラ、ガーベラ、チューリップ、ユリ、ヒマワリなどお花らしいお花。中心に目があるお花です。
応用でいくとトルコ桔梗やラナンキュラスなども中心が開くと目が合います。
人間って目があるものに視線を取られるようで、これらの花がアレンジメント中央付近(フォーカルポイント)にあると重心が整って見える、逆にこれらのお花がフォーカルポイントになく外側に散らばっているとヘソの締まらない何ともぼやけたアレンジメントになりがちです。
主役の本数に余裕がある場合は、フォーカルポイントに3本程度、残りはフォーカルポイント以外の場所にゆったり贅沢使いで散らしてください。
フォーカルポイントにだけ主役を集めると濃すぎて暑苦しいです(笑)
注意:絶対に主役のお花がいないとアレンジメントが出来ないわけではありません。
脇役だけでまとめたアレンジメントはナチュラルで野の花の雰囲気もあり素敵です。
でもこれは応用なのでまた別の機会に。
挿す順番③脇役の花(残っているお花全部)
いろんなタイプのお花がありますね。縦に沢山お花をつけるスイートピーやオンシジューム。
または枝分かれしているから、切り分けてお得に使えるお花、デルフィニュームやリモニュームやエリンジューム。
華奢な、でもとっても雰囲気のある細い茎のお花、グリーンベルやスカビオサ。
レースのような透け感のあるお花、ピンクレースフラワー、オルラヤ、レースフラワー。形も質感も様々。そんな「名わき役」たちが沢山ありますね。
では、これら脇役のお花たちの挿す順番は?というと、まずは顔の大きい順に挿していってください。
顔の大きさは切って挿した時の大きさで見ましょう。枝分かれしているものを切り分けて使う場合は、切ったそのお花だけを見てください。
*腕が上がってくると、ちょっと順番を入れ替えても最後に挿した方が効果的に見せられるお花が分かるようになってきます。応用が利くようになり、お花の持つ良さを最大限に活かしてあげられます。でもそれまでは顔の大きい順に挿していきましょう。
3ふんわり可愛く見える奥行きの出し方
奥行きが出ない理由
私が花屋になる前に趣味でお花を習っていた時、三方見のアレンジメントを作るのが苦手でした。
お花は全部、正面からちゃんと見えるように後ろに行けば行くほど高く高く挿さして、前にあるお花に隠れてしまわないようにしていました。
だから最後列のお花を一番高く挿すことでいつも「絶壁」のような終わり方をするアレンジメントになっていたのです。
するとなんだか可愛くない。。。いつも絶壁アレンジメントになってしまってモヤモヤする。
あなたも三方見(さんぽうみ)のアレンジメントを作るとき、後ろに行けば行くほどお花を高く、より高く挿していませんか?
後ろに行けば行くほど高くなる。これ、普通の感覚で間違ってないのですが、そうすると背面が絶壁になっていませんか?
この絶壁、これがアレンジメントを薄く見せてしまうのです。
奥行きを出す方法
では、同じお花を使って絶壁アレンジにならず、さらに可愛らしく見えたり、優しい雰囲気に仕上げるのに必要なことは?それが「奥行き」なのです。
アレンジメントの中央付近まで高くなっていくのは良しとして、その後ろに少しだけ低くした色味のあるお花を挿してみてください。
もちろん前にあるお花とかぶらないように、少し右か左にずらして前から見える位置に。
ほんの少し低いだけでいいのです。勇気を出して少しだけ低く挿してみてください。
ほら、奥行きに見えるでしょう?後ろにほんの少しカーブが下がって絶壁じゃなくなったら、豊かな奥行きができたでしょう?
ぜひトライしてみてください。大丈夫、後ろに挿したそのお花、消して無駄にはならないのです。
丸見えじゃないにしてもチラリと見えているそのお花と色、すごくいい仕事をしてくれます
4素材を活かす
挿す順番③でも書いたとおり、特に脇役のお花たちはそれぞれキャラが全然違うものばかり。主役顔じゃなくてもそれぞれの特長で存在感のある名わき役ばかりです。
ラフルールのフラワーアレンジメント教室では、初級クラスの中でこれらの名わき役たちを沢山使っていただきます。
「透かして、飛ばして、遊ばせる」そんな使い方が出来るようになります。
茎が曲がったヒョロヒョロしたお花は伸び伸び自由に飛ばしてみたり、顔の大きいしっかりしたお花(カーネーションやアルストロメリアなど)は低く挿して安定をもたらすなど。
そのお花が持つ特徴を活かしていきましょう
実際に作ってみよう
下の写真を見てください。アレンジメントを横から見た写真です。この日の主役のお花はオレンジ色のチューリップが3本あります。
主役を三角形(正三角形でも二等辺三角形でもなんでもOK)の配置で中央付近に挿します。この時、近づけすぎて主役だけでギューギューにならないくらいの間隔をあけましょう。
だからと言って中央スペースから大きく外れた外野スペースには挿さないように。だって主役なんだから。
また、3本中1本はオアシスの真ん中線より後ろに挿しましょう。ゆったりした空間を作れます。
主役のお花を三角形に配置
この時、中央付近の一番背が高く挿してあるチューリップに注目して下さい。いつもだったらこのチューリップの後ろに挿すお花たちを高く高く挿していませんか?どんどん高く高く最後は絶壁のように高くお花を挿してきませんでしたか?
このチューリップの真後ろではなく、左右の後方スペースにこのチューリップよりも少しだけ低く色味のあるお花を何本か挿してみてください。
主役級のお花を使う必要はなく、わき役のお花でいいです。ただし、グリーン系よりも少し色がついているお花のほうがより効果的です。ピンクや黄色、紫や青、赤など。白もOK
一番背が高く挿してあるチューリップよりも低く挿すことに抵抗があるかもしれません。だけど大丈夫です!勇気をだしてちょっと低めにお花を挿してみてください。
この「ちょっと低めのお花」が作品全体に奥行きを作ってくれるのです。前から見ればちゃんと見えています。
チラ見程度でも見えていれば大丈夫です。そのお花はしっかり奥行きを出していい仕事をしてくれています。
ぜひおうちでもチャレンジしてみてくださいね。
ちなみに、Topのチューリップの後方にあるブルーのお花・ニゲラは軽やかでフワフワしたお花なので、Topのチューリップよりも後方に高く挿しても絶壁風にはなりません。こういう飛ばして遊べる花材も魅力的です。
アレンジメントの作り方はいろいろです。
いろんな方法がありますので参考に。
横浜市金沢区の花屋&フラワーアレンジメント教室ラフルールでは随時、体験レッスン募集中です。お気軽にご参加ください。