ふとアトリエに差し込む光の中で、お花と向き合う時間。 私たち花屋の仕事は、単にお花をきれいに飾るだけではありません。 そのお花が持つ「本来の輝き」を最大限に引き出し、お客様の手元で長く咲き続けてもらうための、静かな対話の時間でもあります。

お花は生きものです。一輪一輪に個性があり、それぞれの「扱い方の秘訣」があります。 今回は、プロとして、そしてお花を愛する一人として知っておきたい、大切なひと手間についてお話しします。

たとえば、気品あふれるユリ。 その美しさを長く保つための鉄則は、花粉が粉を吹く前に指先でそっと取り除いてあげることです。 もし、うっかりお洋服についてしまっても大丈夫。決してこすらずに、ガムテープなどで軽く叩いて落とすという知恵を知っているだけで、お客様へ安心を届けることができます。
でも最近は八重咲のユリで花粉の出ないものもあります。安心して使えるので、ラフルールに入荷してくるユリはこの八重咲のものが増えています。

また、華やかな芍薬は、蕾の表面にあるベタベタした蜜を水を含ませたペーパーで優しく拭き取ってあげましょう。このひと手間で、お花がよりスムーズに開いてくれます。コバエも寄ってきません。

そして、デザインの幅を広げてくれるドラセナの葉。 そのまま挿すのではなく、ホッチキスを使ってくるりと丸めるなどの加工を施すことで、作品に驚くほどの立体感と動きが生まれます。
こうした技術的な「ひと手間」の根底にあるのは、ラフルールが大切にしている「自然の流れに任せる」という哲学です。
アレンジメントを作るとき、茎が曲がっていて思った場所に挿せないことがあります。 そんな時、つい力ずくで真っ直ぐにしようと頑張ってしまいがちですが、物理的に無理なときはすぐにあきらめる。そして、場所や角度を変えてみる。 素材の「癖」に逆らわず、その個性をデザインとして受け入れることで、無理のない、そして「なんだか素敵」な作品ができあがります。
この「執着しない」というお花との向き合い方は、不思議と日々の暮らしをも楽にしてくれます。
プロとしての誠実な技術と、しなやかに生きるためのヒント。 制作の途中で感じる「あれ?」という小さな違和感を無視せず、丁寧に向き合って一手加えること。 その積み重ねが、日常の直感を研ぎ澄ませ、あなたの人生をより豊かな、心地よい流れへと導いていくのです
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