「好き」を仕事にし続けるための花屋バイブル
〜現場スキルと経営戦略、20のレッスン~
花屋の仕事において、アレンジメント技術は不可欠ですが、お客様が日常でお花を飾るシーンは、必ずしもオアシスを使ったアレンジメントだけではありません。ご自宅の花瓶に美しく生けたい、大切な人へ手渡す花束を自分で組みたいという要望は常に存在します。

このLesson3では、お客様の「お花のある暮らし」をもっと豊かなものにするために、プロとして押さえておくべき花瓶いけとスパイラルブーケの基本的なスキルと、それを支える花材の選び方について解説します。
「花瓶にお花をいけるのが苦手なの」「毎回、花瓶いけが上手くいかないの」というお客様がいれば、ちょっとしたアドバイスもして差し上げられますね。

1. 花瓶いけの基本:誰でも美しく生けられる「花留め」の技術
花瓶にお花を生ける際、「思った場所に立たない」「ふんわりといけられない」といった悩みを抱える方は少なくありません。花瓶いけを成功させる鍵は、いかに早く「花留め(はなどめ)」を作るかという点にあります。
花留めとは、花瓶の中で花材を支え合い、安定させるための土台のことです。これが出来上がれば、ガーベラのような一本足の花でも狙った場所に立たせることが可能になります。

花留めに適した花材の選び方
花留めづくりに必要なのは、以下の特性を持つ花材です。
- 葉っぱが多くバサついているもの
- 枝分かれが激しいもの
これらの花材は、花瓶の口付近で絡み合い、フラワーアレンジメントを作る時のオアシスの代わりとなる強固な土台を作ってくれます。

花瓶に入れるお花の順番
花留めを作るための花材を選んだら、生ける順番も重要です。毎回、なんとなくではなく、ルールと法則に従って生けてみましょう。
- 葉または枝分かれが激しいもの:まず花留めを作る花材を入れ、土台を築きます。特に花瓶の口付近に葉っぱや枝分かれしたものが来るように、長さを切って調整すると、あっという間に花留めが出来上がります。
- 主役:主役の花とは、中心にハッキリした目があるお花です。バラ、ガーベラ、ひまわり、ユリなど。
花留めができたら、主役となる花を配置します。全体の中央ゾーン(フォーカルポイント)に2~3本の主役を入れておけば、バランスよく見えます。主役顔のお花がなければ、色が濃い目のお花をフォーカルポイントに入れておけば、しまって見えます。 - 脇役の顔の大きい順:残りの脇役の花を顔の大きい順に入れていきます。
美しく生けるためのコツ
1水の中に浸かる葉は取り除く
水を清潔に保つためです
2花瓶の内側の壁に茎の切り口をあててお花をいける
花瓶の内側の壁に切り口を当てて反対側に伸ばすことにより、ふんわり大きく生けられます。全てのお花が花瓶の底についてる状態では、お花に広がりができません。内側の壁をよく使い、見た目にも風通しの良く、心地の良い花瓶いけが出来上がります。

花瓶いけの次は、人気の「スパイラルブーケ」の秘密へ。茎を常に11時の方向に合わせるだけで、なぜ魔法のように美しい花束が生まれるのか。そして、本当に学びたいのは、技術だけではないはず。ラフルールのお花教室は、「よりよく生きる」ための視点を養う訓練こそが、レッスンの真髄です。この続きはnoteで。