清々しい季節とは言い難かった5月、皆さんはいかがお過ごしでしたか?
母の日で忙しかった大連休を連勤し、その後、久しぶりに私も実家に帰省いたしました。実は 5 月に帰省すると いうのはこれまた 30 年ぶり。1月や8月と違い、新幹線の車窓から眺める新緑の美しいこと!とても驚き、感 激しました。モリモリモリモリと迫ってくるような緑、その中に谷に向かって流れる滝のように紫色の花。その 一筋の流れは山に咲く藤の花でした。それはそれは素晴らしくて、皆さんにもお見せしたいくらいでしたが、如 何せん、新幹線での一瞬の出来事で私はカメラを向けることなく夫婦二人で楽しんでしまいました。
春から初夏へ、そして梅雨の季節へ移っていき、我が家の台所で扱う野菜も夏の野菜が増えてきました。そう、 食べることの大切さが身に染みたのは、主人が倒れた2017年のことでした。それまでの私達夫婦は仕事仕事 で一緒に食事をすることも少なく、お互いの健康もいつまでもこのまま続くと思っていました。そんな中、主人 が倒れ、このまま戻らぬ人になるかもしれないという時を過ごし、その入院の中でドクターが「食べることは生 きること。きちんと噛んで味わって楽しく食べることは大切ですよ。なによりの薬。」と点滴を外す指示を出しな がら話して下さったことがきっかけでした。それまでも主人は料理を生業にし、私は食いしん坊だったので、い ろいろと気にしながら食事をしてはいたのですけれど、そこから私たちの食べることへの生きることへの気持ち の変化が訪れました。
まあ、そんなことはいいとして。
5 月頭にはペカペカしている気がして手に取ることも控えたキュウリが美味しく感じる季節になりました。私は 河童かと思うくらいキュウリが大好きです。あまりに好きすぎて寒い季節は食べずに美味しくなって体が欲して きたら買って食べるというこだわり。家人もキュウリが食卓に上ると「おおっ、またキュウリの季節がやってき た」と思うらしいし。ピーマン、ナス、トマトもそれからスタート。
魚もこの間買ったイワシがぷりぷりしていて手開きをしながら、そうそう、そうそうと何度も頷いてしまうくら い。イワシも私の大好物。魚売り場のイワシの前でやたらと吟味してしまうから、人に見られたら大笑いされて しまいそう。この間はパン粉焼き。これがまた美味しいの。
季節のものをいただけるということは贅沢でありがたいこと。そんなことを思いながら今日も50代夫婦の食卓 を楽しんでいます。花も食べるものも季節は大切。さあ、梅雨に入りました。
Prairial 牧月 / Pavot ケシ 芒種 / 蟷螂生 かまきりしょうず